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 05.金曜日・午前中

1、イベント一覧 

 この項において記載するのは以下の項目である。

  ・イベント日時

  ・発生条件

  ・発生する出来事

  ・手に入る物品、情報

 

  なお、特定のアイテムや情報、NPC等の存在によりイベントの内容が変化する場合もあるため、探索者の状況に応じて発生させるイベ

 ントを変えること。そのために、イベントが発生する日時や発生条件、その出来事などをおおよそ頭に入れ、シナリオの進行と照らし合わ

 せながらシナリオを管理していただきたい。もしも上記のような形式でシナリオを管理する自信がなければ、「①探索者が介入しなければ

 起こるであろう出来事、事件の推移」を軸にKP自身が必要だと思うイベントをピックアップし、あらかじめシナリオを絞ってからプレイ

 すると良い。

  また、「00.注意点」にも記した通り、筆者はKPによるアドリブ的な対応を好み、シナリオもその嗜好に則って作成している。そのた

 め、シナリオ展開によっては、記載されていないイベントをKPが作りながらシナリオを組み立てていただきたい。

 

 

 

2、金曜日・午前 

 探索スタートとなる金曜日の午前中。ここでのキーパーソンは大村純一。探索者が医療従事者であれば彼の相談を直接受けることができ、また、黒田織物工業に勤めている者は大村純一が出勤してこないことに気がつくだろう。探索者の合流であるが、順調に進行すればそれぞれが大村純一の行方を追ってアパートで合流するだろう。また、橘田美雪(または久幸)も探索者一行に合流させよう。

 

○イベントNo.001『待ち人来たらず』

 ・イベント日時:AM8:30

 ・発生条件  :黒田織物工業に出勤する

 ・発生する出来事

   探索者が出勤して業務を始めると、1つだけいつもと異なっていることがあった。探索者のラインで機械の操作担当をしている男がい

  つもの大村純一ではなく、雑用係の増田なのだ。どういうことか事情を尋ねると、今日は大村が病欠のため代わりに自分がここの担当に

  なったという。

  <アイデア>成功→大村はクソがつくほど真面目な男で、自身の健康もよく気にかけていた。記憶が正しければ病欠などほとんどしたこ

           とがない上に、多少の風邪なら無理をしてでも休まずに出勤してくるような男だ。

   大村を探しに行く場合、取りうる方針は3つある。1つは就労時間中すぐにでも職場を抜け出す。もう1つは昼休みにこっそり抜け出

  す。そして最後は社畜らしく業務終了までおとなしく待つかである。業務終了後は言うまでもなく、昼休みも大した苦労はなく職場を抜

  け出せるだろう。ただし、就労時間中に抜け出す場合はそう簡単にはいかない。休憩時間は昼休みのみであり、それ以外のトイレ休憩な

  どは原則的に認められていないため、<隠れる>などの技能ロールを用いてこっそり抜け出す必要がある。また、こういった行動を取る

  のは記憶が戻りかけている者のみであり、職場から姿を消したことが狂信者に知れると危険人物として監視が厳しくなることは間違いな

  い。

   また、<隠れる>ロールなどに失敗して発見され、その上で言い逃れることにも失敗した場合は完全に目をつけられ、昼休みに抜け出

  すことも困難となるだろう。シナリオ管理的な観点から言うと、職場を抜け出さなければ夕方まで何の行動も取ることが出来ず合流すら

  できないため、できるだけ早期に職場を脱出できるようPLに抜け出す方法を提案すると良い。ただし、昼休み以外に抜け出すのは発見

  時のリスクも伴うため、PLの人数や探索経験も加味して提案しよう。

 

 


○イベントNo.002『消えた女性』

 ・イベント日時:AM8:30

 ・発生条件  :ハンドアウト① パターン2-1(探偵、刑事などの探索者)がいる

 ・発生する出来事

   今日は弟子入りとかなんとか言って勝手に着いてくるようになった橘田美雪(または久幸)と会う約束をしている。黒ヶ峰町の巡回が

  毎週末の恒例行事になって久しい。もっとも、この町で大きな事件が起こることなどありえない話で、今日も適当に町をぶらつくだけに

  なるはずだった。

   待ち合わせ場所で橘田と合流すると、思いもよらないことを聞かされた。最近、診療所で働いていた女性がいなくなったという噂

  (※1)を流している男がいるらしいのだ。その男は黒田織物工業に勤める大村純一という人物だ。なお、この時点では女性の名前すらわ

  からない状態である。

  <アイデア>成功→面識はないが大村純一は真面目な男という評判で、デマを流す輩とは思えない。

  

   その女性の情報を集めるなら診療所。大村純一の自宅は知らないため、会いにいくなら黒田織物工業へ行くこととなる。

 ※1:いなくなった女性

  水瀬という女性で、前回の脱出において探索者や大村と共に脱出を試みた。元は看護婦で、黒ヶ峰町

  に連れて来られてからも診療所で看護婦として使われていた。大村は水瀬のことをおぼろげに思い出

  しており、診療所にもどこにも彼女の姿が見えなかったので、そのことを周囲に漏らしていた。

  探索者が水瀬という名を聞くと<アイデア>のチャンスを得る。成功すると、看護婦をしていた水瀬

  という女性が診療所にいたことを思い出す。決定的成功の場合、彼女と共にこの町から出ようとした

  ことまで思い出す。

  狂信者や他の住人は「水瀬は最初からいなかった」ものとして扱っているため、水瀬のことを覚えて

  いるのは黒羽と大村のみである。

○イベントNo.003『探偵志望』

 ・イベント日時:AM:8:00以降いつでも

 ・発生条件  :ハンドアウト① パターン2-1(探偵、刑事などの探索者)がいない

 ・発生する出来事

   探索者達が町を歩いていると、突然女性(または男性)に声をかけられた。橘田美雪(または久幸)と名乗るその人物は町でも有名な

  探偵志望の人物だ。町でかなり大きな農園の跡取りだが、仕事も手伝わず、探偵になるとか言い張って毎日町中をふらふらしているとい

  う噂だ。というか実際に何度か話を聞きに来たことがある。そのどれもがペット探しや落し物探し程度のものであるが……

   橘田からはまず何をしているか尋ねられる。その際、探索者が消えた女性の噂(※2)についてか、もしくは大村純一を探していると言

  った場合は同じ目的だとして消えた女性の噂を話し、同行を申し出る。探索者が何も答えないか、要領を得ない回答をする場合は聞き込

  みという名目で消えた女性の噂(※2)を話し、時間があるのなら一緒に調べてみないかと持ちかける。

   ここでの橘田の目的は探索者と行動を共にし、その動向を探ることにある。そのため、橘田はとにかく嫌われないことを重視し、ここ

  でどうしても同行できそうになければ次の機会を残すためにこっそり尾行をするようなリスクは侵さず、おとなしく引き下がる。また、

  狂信者である橘田に対して記憶を取り戻していない状態で<心理学>を使用した際は以下のような処理となる。

   ・成功→こちらに好意を持っている。しかしどこか違和感を感じる。

   ・失敗→こちらに好意を持っている。

  記憶を取り戻していない状態では、発言内容に関わらずこのような処理となる。

 ※2:消えた女性の噂。上記イベントNo.002と同じ。

  最近、診療所で働いていた女性がいなくなったという噂(※1)を流している男がいるらしい。その男は黒田織物工業に勤める大村純一と

  いう人物だ。なお、この時点では女性の名前すらわからない状態である。


○イベントNo.004『業務連絡』

 ・イベント日時:AM8:00以降いつでも

 ・発生条件  :黒田織物工業で大村が出勤しているか尋ねる

 ・発生する出来事

   探索者達が黒田織物工業を訪れ、大村純一について尋ねる。黒田織物工業は平屋建ての、至って普通の町工場といった外観の建物だ。

  建物の外にまで聞こえてくる機械音からしてどうやら今日も平常運転らしい。建物の入口は3つ。正面の事務所入口か、作業場入口か、

  裏手にある通用口かだ。(※3)

   事務所に入った場合、受付も兼任している壮年の女性が応対することとなる。女性は攫われてきた犠牲者である。対応は事務的なもの

  で、大村の情報はほとんど教えてくれないだろう。現在の黒田織物工業における大村の扱いや個人情報など、女性が知っている情報を以

  下に記す。

 

  ①風邪で病欠すると大村純一から連絡があり、今日は出勤していない。

  ②(黒ヶ峰町における)住所や家族構成などの個人情報。

  ③大村純一の人間性、交友関係など

 

   ①については拍子抜けするほどすんなりと教えてくれるが、②の個人情報を聞き出すためには<言いくるめ>や<説得>、<信用>な

  どの対人技能を成功させなければならない。といっても、有用な情報は住所と家族構成くらいのものであるが。ただし②の情報について

  は探索者に工場勤務の者がいればあらかじめ知っていることにしても良い。③の情報であるが、これも技能ロールを必要とせず教えても

  らえる。内容は以下の通りである。

 

  「大村さんは真面目な方で、病欠されたことはほとんどありませんよ。ただ、あまり他の人と関わらない方なので、大村さんのことはよ

   くわからないんですよねぇ」

   また、女性に<心理学>を行った場合、ダイスの結果と関係なく「こちらに好意を持っている」としか表示されない。この女性だけで

  なく、偽の記憶に支配されている住人は全員同様である。 

 ※3:通用口は普段作業員が使っており、入ってすぐ更衣室と休憩室、化粧室がある。

   狭い廊下を抜けた先はすぐ作業場と事務所に繋がっている。

○イベントNo.005『黒ヶ峰診療所①』

 ・イベント日時:AM8:00以降いつでも

 ・発生条件  :黒ヶ峰診療所の院長に「消えた女性の噂」について尋ねる

 ・発生する出来事

   探索者が黒ヶ峰診療所を訪れ、院長に「消えた女性の噂」について尋ねる。女性については上記イベントNo.002の※1を参照のこと。

  狂信者である院長は女性のことを最初からいなかったものとして扱っており、何を聞いても知らぬ存ぜぬで通してくる。また、<心理学

  >を使用した場合は以下のような処理となる。

   ・成功→こちらに好意を持っている。しかしどこか違和感を感じる。

   ・失敗→こちらに好意を持っている。

   院長のような黒ヶ峰町の住人に扮する狂信者に対しては、発言内容に関わらずこのような処理となる。また、大村純一の個人情報はカ

  ルテに記載されており院長も把握しているのだが、<言いくるめ>をはじめとしたいかなる対人交渉技能を用いても院長が情報を漏らす

  ことはない。

   探索者の中に診療所で働いている者がいない場合は院長の他にもう1人いるが、彼は攫われてきた犠牲者の1人である。そのため水瀬

  については一切記憶になく、<心理学>を行った場合、ダイスの結果と関係なく「こちらに好意を持っている」としか表示されない。こ

  の人物だけでなく、記憶を取り戻していない状態で行った場合は全て同様である。

   探索者に診療所で働いている医療従事者がいる場合についても記す。探索者にとって女性の噂自体が初耳であり、そのような女性のこ

  とは何も知らない。そもそも、この診療所は長らく自分と院長の2人で回しており、他の人が働いていた覚えはない。しかし<アイデア

  >成功で、つい先日ここの看護婦と談笑していたような記憶がおぼろげに蘇る。どんな女性だったかまでは思い出せないが、決定的成功

  の報酬として水瀬という名を思い出し、さらに看護婦として働いていた水瀬と共にこの町を出ようとしていたことまで思い出す。ただ

  し、その後の顛末までは思い出せない。

 

 


○イベントNo.006『黒ヶ峰診療所②』

 ・イベント日時:AM8:00以降いつでも

 ・発生条件  :探索者の中に診療所で働く者がいない状態で黒ヶ峰診療所の院長に「大村純一」について尋ねる。

 ・発生する出来事

   探索者が黒ヶ峰診療所を訪れ、院長に「大村純一」について尋ねる。大村はまさにこの日の朝、診療所に相談のため訪れているのだ

  が、狂信者である院長はもちろん素直に話すわけがない。大村について教えてくれるのは、彼はめったに病気をせずあまり診療所に訪れ

  ないことと、去年の暮れにインフルエンザが流行った時はその予防接種に訪れたことのみである(※4)。それ以外については知らぬ存

  ぬを通す。対人交渉技能は結果に影響を及ぼさない。また、心理学を使用した場合はイベントNo.005と同じ処理を行う。

 ※4:大村が黒ヶ峰町に来たのは探索者達と同時期である。カルテの内容はもちろん偽装工作。

○イベントNo.007『黒ヶ峰診療所③』

 ・イベント日時:いつでも

 ・発生条件  :黒ヶ峰診療所内において情報・物品を探る

 ・発生する出来事

   探索者に診療所で働く者がいる場合は、院長の目を盗んで簡単に調べることができるだろう。ただし、いない場合は院長がいないタイ

  ミングを見計らって潜入しなければならないため、前者と比べて難易度が上がることは間違いない。院長の基本的な行動パターンだが、

  診療所が開いているAM8:00~PM17:00までは診療所内の院長室にいる。昼食はPM12:00~PM13:00間のどこかで、30分ほど近くの黒

  ヶ峰食堂へ食べに出かける。診療所が閉まっている時間は徒歩5分ほどの距離にある自宅にいるか、薬物の生育具合を確かめるために薬

  物原料保管庫へ行ったり、他の狂信者と接触している。もし侵入者を発見した場合は追い出しに掛かり、抵抗する場合は警察へ連絡しよ

  うとする。なお、いずれの場合も狂信者間で情報共有され、監視は厳しくなる。

   診療所内の部屋はおおまかに診療室、院長室、個室(攫われてきた医師、もしくは探索者が使っている)、薬品保管庫、休憩室であ

  る。探索箇所と発見できる物品・情報を以下に記す。

  ▼診療室

   ベッドが2台並んでいる部屋。院長もしくは医師が使う診療机と患者用の椅子など、必要な道具はだいたいここに揃っている。

  ・診療机:主に聴診器や舌圧子など、診察に用いる道具を置いている机。パソコンも置いておらず、今どき紙媒体での記録が主となって

       いる。卓上にはよく使う診察器具や筆記用具などが、引き出しには白紙のカルテや、あまり出番のない診察・治療器具が保管

       してある。

       <目星>→引き出し:白紙のカルテの間に小さな花飾りがついた女性物の髪留めが挟まっていた。院長に必要ないことは明白

                 である。

                                     (探索者が男性の場合:もちろん自分のものではない)

                 (探索者が女性の場合:この花飾りの髪留めには見覚えがない)

      <アイデア>→髪留め:この髪留めがよく似合う女性の姿が脳裏をよぎる。透き通るような肌に、絹糸のように流れる艶のある

                  黒髪。どこか儚げな雰囲気は思い出せるのだが、どんな女性だったか思い出せない。決定的成功の報

                  酬として水瀬という名を思い出し、さらに看護婦として働いていた水瀬と共にこの町を出ようとして

                  いたことまで思い出す。ただし、その後の顛末までは思い出せない。

 

  ・本棚 :生理学や解剖学、生理学など医療従事者として基礎となる知識の入門書から、各病態を記した実用書などの専門書が並んでい

       る。変わった本や分野の偏りなど、目を引くような点は特にない。蔵書はそのどれも発行年数がかなり古く、紙もそれなりに

       傷んで変色している。

  ・書類棚:主にカルテを保管している書類棚。木の戸棚を開くと50音順にカルテが並んでいるのだが、拉致されてきた犠牲者の偽の経

       歴・病歴を記したものであり信憑性はほとんどない。役に立つ情報は年齢や性別、家族構成や現住所などの個人情報くらいの

       ものだろう(大村純一に関しても同様)。なお、戸棚は施錠されており、鍵は院長ともう1人の医師(または診療所で働く探

       索者)が持っている。

       また、時間をかけて半数以上のカルテを精査した場合、20代~50代のいわゆる生産年齢の人物しかおらず、さらに7:3で男

       性に偏りがあることがわかる。黒ヶ峰町に子供や老人は必要ないため、狂信者がそういった年齢層の人物を黒ヶ峰町の住人と

       することはほとんどない。また、力仕事の方が多いので男性を攫う場合が多い。そのため、患者の年齢層や性別が偏るのは当

       然といえる。

  ・薬品棚:<薬学>もしくは<医学>成功で情報が分かる。常備されている資材や薬品はかなり限られている。応急的な処置と簡単な外

       科的処置ができるだけの道具・資材、流行病などに対する抗生物質・ワクチン及び検査に用いる薬品、あとはちょっとした点

       滴や錠剤、貼り薬程度しか置いていない。

  ▼院長室

   狂信者である院長が使用している部屋。不在の間は施錠されており、鍵は院長しか持っていない。この院長室や自宅には重要なものは

   ほとんど置いていないため、念入りに探索しても重要な情報はあまり出てこないだろう。

  ・事務机:診療室にはカルテなどの診療記録があったのに対し、院長室には主に診療所の経理面を記した書類が保管されている。もちろ

       んこの診療所は正式な医療施設ではないため、国からの診療報酬などは受け取っていない。そのため、基本的には教団の資金

       で運営しており、診療所単体で見れば超赤字経営である。

       また、レセプト(医療機関が市町村や健康保険組合に提出する月ごとの診療報酬明細書)はPC上で管理しており、何らかの

       方法で院長からパスワードを入手する必要がある。パスワードは12桁のランダムな英数字であり院長自身も暗記していない

       ため、いつも持ち歩いているメモ用紙に記入している。安全性を高めるために教団側が設定したものであるが、当然覚えきれ

       ないため院長が勝手に書き留めて管理しているのである。紙は単語帳のような小さな型紙で、鍵束に付けて管理している。そ

       のため、どうにかしてこのメモ用紙を入手すればよい。帳簿は紙面で保管しているが、上記レセプトと照らし合わせてはじめ

       て不透明な資金の流れを発見することができるため、それ単体では意味を成さない。

       また、別の方法としてはPCをセーフモードで起動させ、一定の手順で管理者権限を取得し、さらにコマンドプロトコルを入

       力することでパスワード自体を変更する方法がある。<コンピューター>技能成功でこの方法を実行できるものとする。ただ

       し、元のパスワードがわからないため、パスワードを元に戻すことはできない。そのためこの方法を使うと、何者かが不正な

       手段を用いたと院長に知られるため、警戒が強まることは間違いない。

       なお、院長を問い詰めても知らぬ存ぜぬを貫き、データを不正に盗んだとして警察へ突き出そうとする。警察に不透明な資金

       の流れを訴えでても問題ないとされ、黒ヶ峰診療所や院長に対して法的措置がとられることはない。院長も警察も狂信者であ

       りグルである以上当たり前である。

 

     <経理>→レセプト:よく体裁を整えているが、患者の保険区分や診療報酬点数と実際の診療報酬請求が噛み合っていない箇所が

               ある。これでは診療報酬を請求しても金銭を受領することができない。データの不備は数ヶ月前や数年前の

               箇所にも残っており、これを訂正して提出していないのは明らかに不自然である。

     <経理>→帳簿:上記レセプトと照らし合わせた場合のみ情報を得られる。レセプト上でデータ不備があり、診療報酬請求をして

             も金銭を受領することができないはずであるにも関わらず、診療所の収入として金銭を受領していることになっ

             ているのだ。この不透明な資金の流れは明らかに不審であり、この診療所にはなにか裏があることは間違いな

             い。

 

  ・書類棚:過去数十年に渡る上記帳簿が保管されている。黒ヶ峰町や診療所ができる以前の分も偽装して保管している。帳簿以外にめぼ

       しいものは特にない。

  ・ワードローブ:いわゆるクローゼット。白衣やシャツなど診療所で使う衣服が保管されている。

  ・サイドテーブル:院長が趣味で集めているウイスキーや、嗜むためのグラスを保管している。

  ・無線機:狂信者同士が連絡のために用いている無線機。ただし、探索者や住人にはえんふくさまの認識阻害がかかっているため、何の

       変哲もない黒電話にしか見えない。もし使用した場合、入力した電話番号に関わらず狂信者相手に発信されてしまう(実際に

       は電話番号を入力したつもりになっているだけであり、周波数を操作できていないまま発信しているため)。

  ▼個室

   探索者、または攫われてきた医師が使っている個室。ここで生活しているため、院長室と比べて私物が多い。PCを無くした代わりに

   生活用品を増やした院長室のような感じである。なお、寝泊りは休憩室の布団でしているため寝具はここにはない。

   なお、重要な物品・情報は何もない。

 

  ▼薬品保管庫

   置いてあるものは診療室にある薬品類と何ら変わり無い。ただ単に備蓄しているだけである。

  ▼休憩室

   本来は休憩室であったが、院長はほとんどこの部屋を使わないため実質的に探索者、または攫われてきた医師の寝室のようになってい

   る。ここにはちゃぶ台や座布団、冷蔵庫があるくらいであり、重要な物品・情報は何もない。押し入れには布団が2組入っている。

   また、IH調理器具や流し台もあり、簡単な調理をすることもできる。

 

 

○イベントNo.008『運命や如何に』

 ・イベント日時:AM9:00

 ・発生条件  :上記時間通りに大村のアパート前にいる。このイベントに間に合うためには、導入イベント後に余計な寄り道を一切せず

         大村のアパートへ向かう必要がある。そのため、あらかじめアパートを知っている場合か、医療従事者の探索者がカルテ

         を確認するなど、速やかに情報を入手できた場合に限られる(※5)。

 ・発生する出来事

   探索者が大村のアパートへ向かうと、遠巻きに大村純一の姿が見えた。ちょうど大村純一がアパート前に帰ってきたところらしい。す

  ると突然、アパート脇に待ち伏せていた3人の警官が大村を取り囲んだ。距離があるため何を言っているかは聞こえないが、どうやら揉

  めているようだ。

  <聞き耳>成功→警官の声で「窃盗罪」「逮捕」、大村の声で「濡れ衣」「やっていない」などの単語がちらほら聞き取れる。

 

   大村は抵抗を試みたようだが呆気なく取り押さえられる。そして手錠をかけられ警察車両に乗せられると、車両はそのまま町の北の方

  へ走り去っていった。

 

   この場面に介入するのはかなり危険である。なぜなら、黒ヶ峰町の住人は警察官(に扮する狂信者)の行うことに疑念を持たないもの

  であり、大村純一を庇うような何らかの発言・行動は記憶を取り戻しかけているという証拠に他ならない。記憶を取り戻しかけていると

  狂信者に露見することは非常に危険であり、監視が厳しくなるばかりか不審な行動をとった場合即座に拘束される場合もある。このよう

  に、何らかの形で介入するのはリスクが大きいため、KPは介入しようとする探索者に対して意思の確認を行うと良いだろう。発生条件

  が少し厳しくなっているのもこのためである。

   探索者が介入する場合であるが、何を言っても警官達は頑なな態度を変えることはなく、大村純一の逮捕を諦めることはない。これは

  対人交渉技能を用いた場合も同じである。基本的に、黒ヶ峰町の狂信者に対して対人交渉技能は得られるものがなく危険なだけである。

   仮に探索者が実力行使に出る場合であるが、警官達はまず警棒で応戦しようとする。探索者達を労働力として利用するために、極力殺

  さないように拳銃の使用を控えるが、窮地に立たされた場合はやむを得ず拳銃を使用する。その場合、正規の警官と同じような手順を取

  ることはなくいきなり発砲してくる(警官のステータスは下記※6参照)。また、発砲した場合は銃声を聞きつけて応援が集まって

  る。警官達は自転車や警察車両などで数人ずつ順番に現地に到着するだろう。1つの現場に集まってくるのはおよそ全体の半分ほどであ

  る10人前後まで。

 

   また、この場には前回探索者や大村純一と共に脱出を試みた黒羽唯月(または依月)も居合わせている。黒羽も大村と接触するために

  1時間ほど前にアパートを訪れていたのだが、その時間はちょうど大村が診療所へ行っており運悪く入れ違いになってしまった。普段は

  ちょうど大村が出勤する時間であるため接触しやすいと考えたのだが、思いがけず大村がいつもの生活パターンと違う行動に出たため目

  論見が外れたのだ。そして、しばらくするとアパート前に警官達がやってきて何かを待ち始めたため、物陰に身を隠して成り行きを見守

  ることにした。

   黒羽は前回手に入れた拳銃を所持しているが荒事には不向きであり、物陰から事の顛末を見守っている。もしも探索者が実力行使に出

  て戦闘になった場合もこれは同様である。

   黒ヶ峰町には他に協力者がおらず、探索者達が窮地に陥った際に助けられるのは自分だけであると黒羽自身も重々承知している。その

  ため、よほどのことがなければ状況には介入して危険を冒すようなことはしない。シナリオ管理的な観点から言っても、探索者達が捕ら

  えられた場合や警官に追われることとなった場合、黒羽は救出や逃走支援を行うことができる唯一のNPCとなる。そのため、安易に状

  況に介入させると探索者達が拘束された場合に助けることができる人物がいなくなり、シナリオの進行が困難となる可能性も出てくる。

 

   もしも警官達から大村純一を助け出すことができた場合、警官達から追われることとなりかなり危険である。しかし、記憶を取り戻し

  かけている大村から多くの情報を得られるため、難易度上昇と引き換えに脱出が一気に近づくだろう。大村が知っている情報に関しては

  イベントNo.009を参照されたし。

 

※5:発生条件を満たせなかった場合、発生しなかったイベントとして処理する。このイベントに限らず、

   書き記しているイベントを必ず全て発生させなければならないというわけではない。

 

※6:警官達のステータス

 下記に記すのは平均値である。ここから±1~3ほどの幅で用意すると良い。

 STR:12 DEX:10 INT:12 アイデア:60

 CON:10 APP8 POW11 幸運:55

 SIZ:13 SAN0 EDU15 知識:75 

 耐久力:12/12 MP:11/11 ダメージボーナス1d4

 キック 25% 1D6+db

 組み付き 50% 特殊

 こぶし  50% 1D3+db

 警棒 60% 1d6+db

 拳銃 50% 1d10 射程:15m 攻撃回数:2回 耐久値:10 故障ナンバー:100 装弾数:5/5

 


 

○イベントNo.009『助かった男』

 ・イベント日時:AM9:00以降

 ・発生条件  :イベントNo.008で大村を助け出す

 ・発生する出来事

   イベントNo.008で大村を助け出すことに成功した場合に発生するが、これ以降は警官に扮した狂信者やえんふくさまに追い回される

  こととなる。黒ヶ峰町の住人達は警官たちに歯向かうことがないため、戦闘に突入した時点で記憶を取り戻しかけていると露見する。こ

  れを防ぐためには、橘田が同行していない状態で大村を助け出すしかない。スパイである橘田が同行していると記憶を取り戻しかけてい

  ることを狂信者達に知らされるためである。その場合、記憶を取り戻しかけている者がいると狂信者は気づくが、それが誰かまでは特定

  できない。以下にまとめる。

 

  ①橘田が同行している  → 探索者達が記憶を取り戻しかけていると露見する。

  ②橘田が同行していない → 何者かが記憶を取り戻しかけているが、何者かを特定できていない。

 

   救出した大村からは多くの情報を手に入れることができる。診療所では言わなかったものや、警

  官達と戦う探索者を見て思い出したものなど様々である。聞くことができる情報は以下の通り。

 

  ・記憶 :黒ヶ峰町での生活は偽りのものである。何らかの方法で記憶を歪められおりここでの生活を当たり前のように思っているた

       め、記憶を取り戻してこの町から逃げ出した方が良さそうだ。

  ・協力者:「私には行動を共にしていた仲間がいた。そしてたった今思い出した。その仲間とは君たち(探索者達)のことだったんだ!」

  ・内通者:前回、脱出計画は秘密裏に進んでいたが、まさに決行直前の夜に襲撃があった。誰かが情報を漏らしたとしか考えられない。

  ・化物 :この町には何か超常的な存在がいる。有り体に言えば化物だ。黒い煙の塊のような姿だったが、ライトで照らしても正体がわ

       からなかった。前回は武器や車なども入手していたが、そんなものでは全くどうにもならなかった。あれをどうにかしない限

       り、この町を出られるとは思えない。(化物の詳細・描写は導入編に記載されているものを参照されたし。大村が知っている

       情報はその描写通りである)

 

 

   また、警官達を倒すと携帯無線機や警棒、拳銃、偽造された警察手帳(警察関係者による<アイデア>でのみ見抜くことができる)な

  どを入手できるだろう。警官達が大村の連行用に準備していた車両や増援としてやってきた警官が乗っていた車両や自転車を手に入れる

  こともできるだろう。車両はどれも燃料が1/4ほどしか入っておらず、脱出に用いる場合は給油が必須だろう。脱出に関しては別記『09.

  脱出』を参照されたし。

   車両や自転車を盗んで町中で使用した場合、不審に思った他の住民から通報されることになるだろう。舗装されていない道路を車が走

  った痕跡や住民の目撃情報などから、車を使用しての移動は追っ手に発見されやすく常に危険が伴う。大村もそれは承知しているため、

  探索者が車を奪おうとした際は一言忠告する。

   また、車載無線機も使うことが出来るが、町の外に発信できるほどの電波強度はない。受信に関しても、大村拉致失敗からしばらくす

  ると無線機を奪取された可能性があることに狂信者が気づき、使用する周波数を定期的に変更するようになるだろう。そのため、狂信者

  達の交信を受信して情報を集めることも難しい。

○イベントNo.010『厳戒態勢』

 ・イベント日時:いつでも

 ・発生条件  :大村の救出などを行い、記憶を取り戻しかけていると露見する

 ・発生する出来事

   下記条件のどれかを満たすと狂信者は厳戒態勢を敷く。他の住人達もこれは日常の一部であると認識しており、完璧な黒ヶ峰町住民で

  あれば違和感を覚えない。そればかりか、本来乗っているはずのない者が車を運転していたり、仕事をサボっている、夜間に出歩くなど

  住民にあるまじき行為をしている者を見かけしだい通報する。

   厳戒態勢中は住民が夜間に出歩くことはなくなり、非番の警官達も動員して巡回を行い、薬物原料保管庫など重要施設の警備が増員さ

  れる。また、常に準備してある資材を使用してバリケードを築き、町から出るための街道3つを全て封鎖する。バリケードへは周辺集落

  からも人員を派遣し、常に待ち伏せの態勢を整えてある。バリケード等、脱出の詳細に関しては『09.脱出』を参照されたし。

  ①警官と戦闘し、1人以上倒す

   定時連絡なども行っているため、死体を隠す、拘束するなどしても早期に気取られる。

  ②陰陽石を盗む

   えんふくさまの石像から陰陽石が無くなるのは狂信者達にとって紛れもない緊急事態である。言うまでもないが、探索者以外が陰陽石

   を盗んだ場合も同様に厳戒態勢となる。

 

  ③車両など、逃走に関わる物品が盗まれる

   役場や警察署、町工場などで使用されている車両を何者かが盗むということは、町からの脱出を企てている者がいるということであ

   る。当然逃すわけにはいかないため、厳戒態勢に移行し捜索を行う。

  ④橘田に脱出計画を知られる

   探索者や黒羽が脱出計画を立案している場合、最優先事項として橘田は狂信者へ連絡する。これによりバリケードが準備され、実行部

   隊として複数人の警官が脱出を企てている者を捕らえに向かう。

 

 

 

○イベントNo.011『男やもめに蛆がわく』

 ・イベント日時:イベントNo.008があるAM9:00以降いつでも

 ・発生条件  :大村純一のアパートを調べる

 ・発生する出来事

   大村純一が一人暮らしをしているアパートを調べる。アパートは2階建てで1棟6部屋の造りになっており、近くに似たようなアパート

  がいくつかある。どうやら手に入れた住所によると大村の部屋は1階の左端のようだ。

   部屋の扉は施錠されており鍵は大村が持っているため、いつもおなじみのヘアピンなどの道具を用いて<鍵開け>を試みるしかない。

  大村は警官に捕まった後に、一瞬の隙を見計らって鍵を飲み込んでしまった。部屋にはいくつか情報を残しており、きっとまだ見ぬ協力

  者達の役に立つと確信している。そしてその協力者達に手がかりを残すために、狂信者を部屋に入れないようにと鍵を飲み込んだのだ。

  なお、小さな庭に面した大窓の鍵を閉め忘れているため反対側に回れば簡単に入れる。

   大村の部屋はいかにも男の一人暮らしといった様子で、ちゃぶ台と小さなタンス、冷蔵庫以外には特に家具も置いていない。部屋にあ

  るものといえば敷きっぱなしの布団にいっぱいになったゴミ袋、押し入れに積まれたカップ麺の段ボール箱くらいである。冷蔵庫には調

  味料や飲料しか入っておらず、流し台には空になったカップ麺の容器や小汚いコップが積まれている。IHコンロの上にはヤカンが乗った

  ままになっており、冷めた水がそのまま残されている。

 

  ・ちゃぶ台:きたない。布巾で拭いたりしていないのだろうか、汚れがシミになっている箇所すらある。

        彼はここで食事しているのか……。

  ・タンス :私服やら作業着やら下着やらが乱雑に入っている。一応引き出しごとに種類を分けているが、洗濯は雑でアイロンなども当

        然かけていないためほとんどの服には頑固な皺が寄っている。

   

      <目星>→引き出しの下に小さな紙切れが貼り付けてあった。なんともベタな隠し場所である。くしゃくしゃになっているが、

           これはどうやら名刺のようだ。その名刺には有名な商社の名前と係長という肩書き、そして大村純一の名がはっきり

           と記されていた。

          (探索者が大村から相談を受けていた場合のみ)なんと大村から相談された内容と、この名刺の内容が一致していたこ

           とがわかる。この名刺は前回脱出を試みた際に大村が入手したものであり、また記憶を失うような事態に陥った場合

           に備えて隠しておいたものだ。彼は記憶を再度失った後にこれを再び発見し、記憶を取り戻しかけていた。

  ・冷蔵庫 :調味料と飲料が入っているのみ。きたない。なんか変な匂いがする。

  ・布団  :くさい。たぶん結構な期間干してない。

  ・ゴミ袋 :主にカップ麺の容器と空になったペットボトルや空き缶。

        彼はしょうゆ味のカップ麺と甘い炭酸飲料を好んでいたようだ。ほんのりくさい。

  ・押入れ :カップ麺が入った段ボール箱が乱雑に積まれている。きのこはえそう。

  ・段ボール:ただひたすら乱雑にカップ麺が入っている。<目星>を成功させる、箱をよく探る、箱をひっくり返して中身をぶちまける

        などをした場合、2つに折り畳まれた紙切れを見つけることができる。紙切れには絵が描かれている。お世辞にも上手いと

        は言えず、何の絵かわかりづらい。絵の描写は以下の通り。

        "これは、何かの宝石だろうか。色鉛筆の柔らかなタッチで、その宝石の中に煌く虹色の光が描かれているようだ。現実に

          存在すればさぞ綺麗な宝石だろう"

      <地質学>→ラブラドライトという名の、オーロラの光を封じ込めたかのような神秘的な輝きを放つ宝石がある。この七色に光

            るような光学効果のことをラブラドルの光と呼び、世界中に愛好家を持つ宝石である。

           (KP向けの情報としては)このラブラドライトは記憶や潜在能力を司り、それらを引き出す宝石とされている。こ

            の絵に描かれたラブラドライトには"記憶を取り戻せ"という作者からのメッセージが込められている。

            これは黒羽がこっそりと大村に渡したものである。万が一、再び記憶を失った場合に備え、記憶を取り戻すキーの

            1つとして前回の脱出の際にあらかじめ取り決めておいたモノがこのラブラドライトである。

     

     <アイデア>→この絵に描かれた宝石がラブラドライトであると判明した場合にのみ振ることができる。以下に記すのは成功した

            場合の情報である。

            "このラブラドライトという名前に聞き覚えがある。何か、すごく大事なモノの名前だったような気がする。この

              宝石に関わる人やモノの記憶が頭の奥底で引っかかっているような感覚だ。しかし、思い出そうとするほど記憶

              は霧のなかに消えていく"

             (決定的成功の場合、上記に加えて下記の情報も開示する)

            "そうだ。ラブラドライトは記憶を呼び起こすための合言葉のようなものだったのだ。それを誰かと取り決めてい

              たはずだ。さらにはこの宝石自 体にも重要な意味があったはずだ。ラブラドライトとはどんな宝石だっただろう

              か……"

 

     <オカルト>→ラブラドライトに対して使用することができる。天然石・パワーストーンによるヒーリング効果的な観点からの知

            識であり、<地質学>という学問とは別側面からのアプローチであるため別個の技能ロールを必要とするだろう。

            得られる情報は以下の通り。

            "ラブラドライトは太陽や月を象徴するとされている。ラブラドライトの神秘的な虹色の輝きは宇宙の叡智を秘め

              ており、人間の意識レベルを超えた直感力・洞察力・創造性をもたらすとされている。また、魂のルーツを象徴

              する宝石でもあり、深く眠った意識や記憶を引き出してくれるとされている"

      参考サイト様→ http://www.ishi-imi.com/2007/04/post_179.html#mineralogy

              

 

 

○イベントNo.012『ラブレター(?)①』

 ・イベント日時:イベントNo.008があるAM9:00以降いつでも

 ・発生条件  :探索者が町を歩いている。

 ・発生する出来事

   大村が警官に取り押さえられる場面を目撃した黒羽が探索者に接触することを決意する。しかし、探索者達の記憶がどこまで戻ってい

  るか判断がつかず、狂信者へ露見するリスクを下げるため、徐々に情報を渡して記憶を呼び覚まそうとする。そのため、今回は自身の正

  体を明かさずに情報を書いたメモをこっそりと渡すのみに留める。

   イベントNo.008があるAM9:00以降に町を歩いていると、探索者のうち1人にフードを目深にかぶった女性(もしくは男性)が探索者に

  ぶつかった。その際に4つに折り畳んだ小さな紙を探索者の衣服のポケットに忍ばせるか、または直接手に握らせる。折り畳まれた紙に

  は「独りで見るように」と書かれているが、どうするかは探索者次第である。紙に書かれた内容は以下の通り。

 

  "ラブラドルの光を探せ。命に関わる"

 

   ラブラドルの光とは、ラブラドライトの特徴的な虹色の光のことである。別名ラブラドレッセンス。このラブラドライトは記憶や潜在

  能力を司り、それらを引き出す宝石とされている。つまり、この紙に書かれたメッセージは"失くした記憶を探せ。命に関わる"となる。

  紙に書かれたメッセージに対して使用することができる技能は以下の通り。

 

  <知識> →カナダ北東部にラブラドル半島という場所がある。また、この半島とグリーンランドの間にある海はラブラドル海と呼ばれ

        ている。ちなみにこれは豆知識でありシナリオ的にはあまり意味がない。

  <地質学>→カナダ北東部、ラブラドル地方から産出される宝石にラブラドライトという名のものがあったはずだ。光を当てると遊色効

        果という虹のような輝きを示すのだが、このラブラドライトのものは特に珍しく、ラブラドルの光という名でも呼ばれてい

        る。

 

 <アイデア>→ラブラドルの光=ラブラドライトであると判明した場合にのみ<アイデア>を振ることができる。以下に記すのは成功した

        場合の情報である。また、イベントNo.009で既に提示している場合は重複することとなるため、出さなくて良い。

        "このラブラドライトという名前に聞き覚えがある。何か、すごく大事なモノの名前だったような気がする。この宝石に関

          わる人やモノの記憶が頭の奥底で引っかかっているような感覚だ。しかし、思い出そうとするほど記憶は霧のなかに消え

          ていく"

        (決定的成功の場合、上記に加えて下記の情報も開示する)

        "そうだ。ラブラドライトは記憶を呼び起こすための合言葉のようなものだったのだ。それを誰かと取り決めていたはず

          だ。さらにはこの宝石自体にも重要な意味があったはずだ。ラブラドライトとはどんな宝石だっただろうか……"

 <オカルト>→ラブラドライトに対して使用することができる。天然石・パワーストーンによるヒーリング効果的な観点からの知識であ

        り、<地質学>という学問とは別側面からのアプローチであるため別個の技能ロールを必要とするだろう。得られる情報は

        以下の通り。

        "ラブラドライトは太陽や月を象徴するとされている。ラブラドライトの神秘的な虹色の輝きは宇宙の叡智を秘めており、

            人間の意識レベルを超えた直感力・洞察力・創造性をもたらすとされている。また、魂のルーツを象徴する宝石でもあ

                                り、深く眠った意識や記憶を引き出してくれる"

           参考サイト様→ http://www.ishi-imi.com/2007/04/post_179.html#mineralogy

 

 

   橘田は狂信者側の人間であり、前回の脱出時には同行していなかったため<アイデア>を試みることはできない。そのため、"ラブラ

  ドルの光"に対して<アイデア>に成功し、何かを思い出した様子の探索者に対して何を思い出したのかを執拗に問い詰めてくる。ここ

  で探索者が正直に話した場合でも、何らかの嘘ではぐらかした場合にも橘田は<心理学>を行い(心理学と宣言しないことを推奨す

  る)、発言の真偽を確かめようとする。

 

 

 

○イベントNo.013『ラブレター(?)②』

 ・イベント日時:イベントNo.012と同時

 ・発生条件  :イベントNo.009およびNo.012が発生している

 ・発生する出来事

   大村を助けることに成功していた場合、黒羽から渡されるメモが2枚となり内容が追加される。探索者が記憶を取り戻しつつあること

  は確実であり、1枚目以上の情報を明かしても問題ないと判断したためである。しかし、同行すると一網打尽にされる可能性があるた

  め、自身の正体は明かさずに別行動しようとする。1枚目の内容はイベントNo.012と同様で、2枚目のメモに書かれている内容は以下の

  通り。

  "この町を出なければ命を落とすか、もっとひどいことになる"

  "私は明日町を出る。それまでに情報を集めてほしい"

  "影の化物に注意しつつ、退ける方法を見つけて欲しい"

   影の化物とはえんふくさまのことである。前回の脱出時に全く歯が立たなかったため、撃退する方法を発見することが必須であると考

  えている。このメモを読んだ場合、"影の化物"という言葉に対して<アイデア>を試みることができる。

  <アイデア>成功→イベントNo.014発生。これは前回の脱出時においてえんふくさまに襲われた記憶を思い出すというものである。PL

           にえんふくさまとの戦闘を体験してもらうのも目的であるため、追体験イベントという形で思い出すこととなる。

 

 

○イベントNo.014『影の化物』

 ・イベント日時:いつでも

 ・発生条件  :イベントNo.013において<アイデア>を成功させる

 ・発生する出来事

   前回の脱出時にえんふくさまから襲われた記憶の追体験イベント。隠れ家である図書館跡で奇襲を受けて散り散りになった後、大村と

  黒羽、探索者数人(イベントNo.013において<アイデア>に成功した探索者)が合流した際の記憶である。合流するや否や、単独で逃

  げていた大村の影に潜んでいたえんふくさまが出現し、再度襲いかかってくるというもの。

   影の化物。その文言を目にした探索者の脳裏に、その姿がありありと浮かんでくる。図書館跡から散り散りに逃げ出した探索者達は、

  町外れの廃屋に身を隠して息を整えていた。万が一を考え、ここを合流地点にしておいて良かった。仲間である男性(または女性。黒羽

  のこと)の青ざめた顔がLEDランタンの光に照らされている。先ほど常軌を逸した体験をして命からがら逃げてきたばかりなのだ、無理

  もない。

   誰かが廃屋の扉をゆっくりと開いた。緊張した面持ちで屋内を窺うのは、汗をびっしょりかいた大村純一の顔だった。中にいるのが探

  索者達とわかると、大村は安心した様子で廃屋に入ってきた。いつまでも休んでいるわけにはいかないが、もうしばらくこうしていても

  いいだろう。

   ふと、視界の隅に何かが揺らめいたように見えた。それはLEDランタンに照らされ、壁へと伸びる大村の影だった。影の輪郭が蠢く。

  大村の影は見る見る間に形を変え、人型の左右に翼のようなものが生えていった。まるでコウモリ人間だ。その影から滲み出すようにし

  て黒煙が溢れ出し、振り返った大村の身体を捕らえた。黒煙に巻かれた大村の身体は、まるで何かに引っ張られるようにして上方に打ち

  上げられた。大村はしばらく抵抗していたが、すぐに意識を失ったようで黒い煙に包まれてぐったりしている。

   ここまでがえんふくさまの行動である。ここから大村に<記憶を植え付ける>のに1ラウンド、それ以降、探索者のうち1人も<グラ

  ップル>で捕らえ、<記憶を植え付ける>を行う。大村と探索者の合計2人が<記憶を植え付ける>によって意識を失った時点でこのシ

  ーンの描写は終了する。探索者の持ち物は拳銃や懐中電灯のみであり、えんふくさまに有効打となるモノを持っていない。そのため、大

  村や標的となった探索者を救うのは実質的に不可能である。

   "どう足掻いても絶望の嫌がらせイベント"のように感じるかもしれないが、このイベントの目的は探索者が自らの意思で行動し、

  「○○は効かない」「この行動は効果がない」という具合に消去法的に学習してえんふくさまの弱点に近づくためのものである。なの

  で、探索者の提案や行動は描写・状況の許す限り認めてあげよう。

   橘田は狂信者側であり、この場面に遭遇したことはない。そのため、何かを思い出した様子の探索者に対し、何を思い出したのかを執

  拗に問い詰めてくる。ここで探索者が正直に話した場合でも、何らかの嘘ではぐらかした場合にも橘田は<心理学>を行い(心理学と宣

  言しないことを推奨する)、発言の真偽を確かめようとする。

 

○イベントNo.015『えんふくさま』

 ・イベント日時:イベントNo.008があるAM9:00以降いつでも

 ・発生条件  :NPCと話す

 ・発生する出来事

   NPC(おそらくは同行しているであろう橘田)からえんふくさまのお参りについて聞かされる。明後日、日曜日夜のお参りがタイム

  リミットだぞと探索者とPLに匂わせるためのイベントであるため、忘れずに発生させてあげよう。

   橘田としては、えんふくさまの名前を出すことで探索者達を試している。黒ヶ峰町の住人にとって当たり前の存在であるえんふくさま

  について問いかけて反応を見ることで、記憶を取り戻しかけているかどうかをある程度判断する材料になると考えての行動だ。

  「毎週日曜日にえんふくさまへのお参りがあり、明後日の日曜日も当然お参りがあること」をNPCから聞かされる。"えんふくさま"は

  住人達の間では当たり前の存在であり、知らないなどと言ったらなにをすっとぼけているんだと笑われるだろう。また、えんふくさまと

  いう名前に対して<アイデア>を試みることもできるが、住人に聞けばすんなり教えてくれる。

 <アイデア>→えんふくさまというのはこの町で崇められている土着の神様だ。週に一度、えんふくさまに祈りの言葉を捧げることで平穏

        無事に生きていけるという言い伝えがあり、黒ヶ峰町の住民は全員この言い伝えを守って暮らしている。そういえば探索者

        達も毎週欠かさずにお参りに行っている。

        お参り自体は、えんふくさまの石像に埋め込まれている陰陽石に額を当て、祈りの言葉を捧げるというシンプルなものだ。

 

 

 

○イベントNo.016『内通者』

 ・イベント日時:いつでも

 ・発生条件  :橘田が情報を入手する

 ・発生する出来事

   探索者が記憶を取り戻しかけている兆候やこれからの行動、企てている脱出の計画など、橘田が情報を入手するたびに主任をはじめと

  した他の狂信者に伝えようとする。その方法は以下の2つである。

  ①直接口頭で伝える。

    文字通り、他の狂信者に会って口頭で情報を伝える。基本的に自ら探索者の元を離れることはしないため、別行動時や夜間(探索者

   の就寝後)など探索者から離れた際に情報共有を行うだろう。

  ②紙に書いて届けさせる

    手帳などに情報を書き留め、他の住人に渡して届けさせる。主にこの方法を用いる。そのため、橘田は入手した情報を逐一記録して

   いる。その紙はほとんどの場合に主任、または橘田夫妻に届けられるだろう。

    また、探索時に橘田が記録した情報は尋ねると教えてくれるため、情報を忘れてしまった際においては彼(または彼女)を重宝する

   かもしれない。

 

 

 

 Tips:なぜ大村純一を思い出せないのか?

  ここまでのイベントにおいて、前回の脱出において行動を共にした水瀬のことは名前を聞くだけで思い出す可能性がある(<アイデア>

 を試みるチャンスがある)のに対し、同じく行動を共にした大村や黒羽とは顔を合わせても思い出すチャンスがない。さらに、協力者同士

 であるにも関わらず、探索者達が出会っても同様に思い出すチャンスを与えていない。

  なぜこうなっているかであるが、えんふくさまが記憶を操作する際に、すでに死亡した水瀬とまだ生きている大村や黒羽とで記憶の消し

 方に差が付いたのだ。つまり、まだ生きておりこれから出会う可能性が高い大村や黒羽の記憶を念入りに消したのだ。そのため、水瀬の記

 憶は比較的思い出しやすく、名前を聞いた際に思い出す可能性が残っているのだ。

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