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 02.黒ヶ峰町とその周辺

1、黒ヶ峰町 

 この項では別紙「01.概要」にて記した黒ヶ峰町に存在する主要な施設などの追記である。また、後述「2、周辺の地形」において、脱出

パートで使用するであろう周辺の地形を記載する。

 

○町役場

  黒ヶ峰町のほぼ中心部に存在する。昔の公民館を流用した建物であり、役場というよりは集会所のような間取りの建物。一応、古びた机や

 椅子、書類棚などの事務用品が役場っぽさを演出している。建物裏手には役場が所有している軽トラックが3台あり、運送・調達役の住人が

 火・木・土曜日に食料や日用品などをこの軽トラックで調達しに近隣市町村へ行っている。車の鍵は役場内、主任の机で保管されている。事

 務机の引き出しは夜間のみ施錠されており、主任がいる昼間は施錠されていない。

  職員は4人在籍しており、内訳は課長の男性、主任の男性(狂信者であり、黒ヶ峰町の管理を任されているリーダー的存在)、一般職2人

 (うち片方は受付嬢も兼任)である。名目上のトップは課長の役割を与えられた男性(元弁護士で、役場運営のために攫われてきた)だが、

 実質は主任を演じている狂信者が指示を出している。また、住人名簿や物資輸送スケジュール、周辺の地図や周辺集落との連絡など重要な情

 報を取り扱っているため、お参りを3回済ませていない住人が役場職員の役を与えられることはない。

 なお、これ以降の施設、地形に関してはこの町役場を中心に東西南北、おおよその距離を記載する。

 

 

 

○橘田農園

  町の北側、役場よりおよそ2kmの町外れにある。町で3番目の耕地面積を誇り、この町の北側に他の農園も固まって存在している。農園の

 敷地内に橘田家の母屋があり、その裏手に薬物原料保管庫がある。母屋と畑の間には農具や肥料、農薬を保管する納屋が、母屋の隣には住み

 込み労働者用の離れがある。農場仕事に従事しているのは合計6人で、内訳は橘田夫婦と攫われてきた労働者が4人である。通常、労働者は全

 員離れで暮らしているが、記憶を取り戻す可能性があると判断された者は母屋の一室で暮らし、夫婦と娘(または息子)から監視を受けてい

 る。橘田一家は教団の人間であり、町の北側から西側方面に向かって広がる各農園と連携して薬物原料を育成している。

  農業用水は主に農業集落排水施設の処理水を用いており、肥料や農薬は近隣市町村から調達している。収穫は年に4回、4月・7月、10月、

 1月である。薬物原料は気候の変動に強く、十分な水さえ与えてやれば暑かろうと寒かろうと雪が降ろうと成長する。もし農業用水路に何ら

 かの工作を行い、農業用水の流れに何らかの異常が生じた場合、狂信者と住人は最優先で修復にあたるだろう。

  納屋と薬物原料保管庫は施錠されており、さらに保管庫の近辺には常時警官に扮した狂信者が待機している。保管庫は母屋より大きく、こ

 の規模の農地から収穫できるであろう作物量に対して明らかに過剰である。それもそのはず、保管庫にはある程度の防音処理が施された部屋

 があり、もっぱら尋問などに使われている。窓のない保管庫の中を一目見れば、明らかに普通の倉庫ではないとわかる。なお、保管庫と納屋

 の鍵は橘田夫妻がそれぞれ所持しており、入浴、就寝以外は常に身につけている。

 

 

○黒田織物工業

  町で最大の黒田織物工業をはじめ、黒ヶ峰町の主だった工場は役場の南側に点在している。町外から運び込んだ糸を紡いで布を織ってお

 り、30人ほどの従業員を使って何台もの機械を稼働させている。基本的に工場仕事は攫われてきた犠牲者達で行っており、その中にはまだお

 参りを1回か2回しか受けていない者もいる。一方で、事務仕事は狂信者かお参りを3回受けた者で行っている。これは役場と同様、物資搬

 入・輸送計画書や人員管理など重要な情報の管理を行っているためである。

  従業員は週休2日であり、土曜日は週ごとに交代しつつ隔週で出勤している。そのため、土曜日だけは平日の半分の人員で稼働させてい

 る。給料は決して高いとは言えないが、1日8時間勤務で残業もなく、職場の人間関係も実に円滑である。世間一般でいう薄給ホワイトを体現

 しているかのような町工場。

 

 「さっ続けなさい困ったことがあったらなんでもいうといい、きみたちは大事な労働力なんだ」

 

 と社長の黒田 心氏が言っていた。ちなみに社長は自分の血を見ると我を忘れて怒り出す。

 


○診療所

  町の西側、役場よりおよそ1.5kmの地点にあり、ちょうどこの先を少し行くと畑になっている。ここは昔、黒ヶ峰町ができる以前の村だっ

 た頃に診療所として使われていた建物らしく、それを改修し、小綺麗にしてそのまま使っているらしい。院長に扮する狂信者と攫われてきた

 犠牲者(医療従事者の探索者がいる場合は彼または彼女)の2人で運営しているが、院長は薬学専門(それもここで栽培している薬物がメイ

 ン)で医学には疎く、診療や治療ほとんどド素人である。そのため、実務はほとんど攫ってきた住人(もしくは探索者)任せになっている。

  常備されている資材や薬品はかなり限られている。応急的な処置と簡単な外科的処置ができるだけの道具・資材、流行病などに対する抗生

 物質・ワクチン及び検査に用いる薬品、あとはちょっとした点滴や錠剤、貼り薬程度しか置いていない。黒ヶ峰町で栽培している薬物原料は

 別の場所で精製されており、この診療所には薬物関係の道具はほとんど置かれていない。

 

 

○発電施設

  町の北側、橘田農園よりさらに1kmほど離れた山間部に施設がある。設備は「6、町のインフラ、公的施設」に記載した通りであり、攫わ

 れてきた電気技師がメンテナンス・燃料の補給を行っている。発電施設から町へは古い木製の電柱を用いて配電しており、漏電や断線などな

 んらかの問題が生じた場合は電気技師と他の住人で対処することとなる。予備の電線などの資材は発電施設付近の廃倉庫で保管されている。

○給油所

  ガソリンの備蓄施設を兼ねた給油所。重要な施設ではあるがそれと同時に危険物を取り扱っているため町の中心部からは少し離れており、

 町役場から2kmほど北東の位置にある。ガソリンは円筒形の金属タンク(屋外タンク貯蔵所)にて保管されており、そこから随時必要な設備

 に給油している。

  重要な施設であるため、管理しているのは店主に扮した狂信者。また、アメリカのガソリンスタンドよろしくちょっとした食品や嗜好品も

 取り扱っており、町の警官達の溜まり場のようになっている。もちろん警官による警備を隠蔽するためのものである。夜間は警官がいなくな

 るが、店主は奥の休憩室で寝泊りしているため不用意に物音を立てると警官を呼ばれることとなる。

 

 

○警察署

  名前こそ「黒ヶ峰警察署」だが、交番を3つ合わせたくらいの大きさしかない平屋の建物である。事務室や休憩室、数名を収容できる留置

 所や備品倉庫があり、銃器や弾薬などの危険物は備品倉庫奥の金庫で保管されている。警察を名乗ってこそいるが実態は偽装した狂信者の集

 団であるため、警察関係者が署内を少し観察すれば何らかの違和感に気づくだろう。

  警官に扮している狂信者達は正規のものとほとんど変わらない制服に身を包み、警察手帳も偽装しているが本職から見ればどこか違和感を

 感じる程度に差異がある。また、警官達はリボルバー式拳銃で武装しているのだが、これらは警察で正式採用されているニューナンブM60で

 はなくコルト・ローマン(※1)。外敵の対処はえんふくさまという強力な存在がいるため、警棒と拳銃以上の武装は必要ないと考えているよう

 である。

  この町に存在する警察車両であるが、パトカー風に塗装したセダン型の車が2台、あとは某亀有公園前の警官を彷彿とさせる自転車であ

 る。このパトカー風の車だが、本物に搭載してあるような装備は無線機くらいしか積んでいない。外装こそ似せてあるが中身は一般車とほと

 んど違いはないのだ。

※1:コルト・ローマンは製造国であるアメリカではかなりマイナーな機種なのだが、日本の刑事ドラマなどで古くから使用されている拳銃で

  ある。よく使われるだけあって外見は非常に似ているため、警官に偽装する上で都合が良かったのか狂信者達が装備している。ゲーム的な

  ステータスはニューナンブM60と同様で良い。

 


○図書館跡地

  町の西側、診療所の近くにある。元々、この町が廃墟になる以前に図書館だった建物。今は使われておらず、また、蔵書などは全て狂信者

 に処分されてしまったため何も残っていない。窓には板が打ち付けられ、戸は閉鎖されているため基本的に無人である。図書館と学校は2年

 前に閉鎖されたことになっているが、内部は荒れ果てており、少なく見積もっても30年以上は放置されているだろう。

  ここは前回の脱出時に探索者達が拠点として用いており、いくらか資材を持ち込んだりしていたが脱出失敗した際にここも露見してしまっ

 ている。そのため、探索者達の痕跡を徹底的に排除するために狂信者達が手を加えており、注意深く観察すればそのことに気づくだろう。

○学校跡地

  町の東側、役場から500mほどの距離にある。図書館跡と同じく、元々の町が廃墟になる以前に学校として使用されていた建物だったが、

 今は使われていない。窓には板が打ち付けられ、戸は閉鎖されていることや狂信者が手を加えている点も図書館と同様だが、図書館と比べる

 と、まだいくらかは以前の暮らしぶりがうかがえるようなモノが残っている。

2、周辺の地形 

 黒ヶ峰町は自然豊かな山々に囲まれたのどかな町である。という建前の廃墟である。実際にはド田舎の限界集落程度の規模しかないこの町の近辺は長らく人の手が入っておらず、いささか豊かすぎる自然が残っているのだ。町の近辺は基本的に山と森であり、近隣集落まで延びている道をきちんと辿るか、地図と<ナビゲート>を基にして山中を行かねば遭難は必至である(※2)。黒ヶ峰町に通じる道は例外なくろくに整備されていないため、車で移動したとしても3時間ほどかかる。同じ道を徒歩で行ったとしても18~20時間、獣道を行った場合は丸一日以上費やすこととなるだろう。

 

※2:山奥に入れば視界は100mもなく、障害物だらけの山はまっすぐ歩くことすら困難であるため、

    山に慣れている者でも無闇に歩くのは危険である。

 

 

○清流・泉

 町の東側から北側にかけて流れている清流。流れを遡って東へ30分ほど行けば森の只中に泉があり、ここから水が湧き出ているのだ。この清流と泉の水は飲用水となりうるほど清らかであるのだが、下流である町の北側の農園でもこの水を使っており、さらに下流には農業排水も流れ込んでいる。環境破壊ダメ絶対。

​ 清流の深さは一番深いところでも膝ほどしかないため、徒歩でも渡ってしまえる程度のものである。

 

 

○貯水池

 町の北側にある貯水池。雨の少ない時期は清流の水量が減るため、この貯水池の水を農業用水として用いている。池の直径は数十メートルほどであり、この小さめの貯水池がいくつか点在している。ただ掘って固めただけといった有様のこの貯水池はほとんど手入れされておらず、水草や藻まみれの水質はあまり良いとは言えない。どのくらいかと言うと、時々死んだ魚のような悪臭が漂う程度には汚い。

 

 

○主要道路

 町の東西へと延びる道路。東側からはさらに二手に分かれて南北に延びており、それぞれ合計3つの近隣市町村へと続いている。道路といってもアスファルトなどで舗装はされておらず、草の轍が県道まで続いているだけのものである。山道では道幅が極端に狭くなっているところもあり、場所によっては車一台通るのがやっとである。

 西へ延びる道は山と山の間を縫うようにして通っており、山門街道と呼ばれている。北東へ延びる道は清流に架けられた丸太橋にちなみ、丸太橋街道と呼ばれている。比較的なだらかな道になっており、一番移動しやすい。南東へ延びる道は山の只中を通っており、峠をいくつも越えて延びている。その険しさから、山の背街道と呼ばれている。なお、それぞれの道をしばらく行ったところには狂信者の集落がある。

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