12.Tips
Tips. なにこのページ?
一言で言えば、役に立つ情報やしょうもない情報などが玉石混交の名状しがたき落書きコーナーのようなもの。シナリオ中のちょっとし
た補足情報や、テストプレイヤー様方(シナリオをプレイした筆者以外のKPも含む)との会話の中で出た質問など、「知っていたら役に立
つかも知れないがシナリオ中に書くほどでもないもの」をまとめたものである。
Tips. これシティシナリオなの?
厳密に言えば違う。目標は黒ヶ峰町という閉ざされた村からの脱出であり、どちらかと言えばクローズドシナリオである。さしずめ、"シ
ティシナリオ風のクローズドシナリオ"といったところか。
しかし、探索者向け情報としては現代日本・シティシナリオと明記してある。これはPLの思考を探索者の思考・状態に近づけるためのも
のである。最初からクローズドと知らせて「脱出すれば良いのかな?」と感じさせてしまうより、シティと知らせた上で「この町なんかお
かしい」と感じさせた方が演出面・没入感といった点でも望ましいと考える。
Tips. SANチェック少なくね?
ここまで読み進めてこう思った方も多いかも知れない。「SANチェック少なくね?」と。ぶっちゃけ存在を忘れていたというCoCシナリ
オにあるまじき作者のミスであるため、シナリオ難易度の兼ね合いもあるため、KP各位で調整を行っていただきたい。
SANチェックを行うタイミングとしては、陰陽石を浄化し、記憶を取り戻していない状態で<アイデア>に成功して過去の記憶を思い出
す度に行うと良いだろう。突如蘇った過去の記憶と偽りの記憶とが混濁し、自分の存在が不確かになるような錯覚を覚えるのだ。さなが
ら、自分の身体に2人の人間が入っており、そのどちらもが自分自身だと感じられてしまうようなものである。
ゲーム的な数値としては0/1d3か、髪飾りを見て水瀬を思い出すような小さな出来事であれば0/1のような小さな数値を適用すると良い。
また、えんふくさまとの戦闘を追体験するイベントでは、えんふくさまとの遭遇によってSANチェックを行っているため、これを思い出し
て記憶が混濁して云々でSANチェックを行わなくても良いだろう。
Tips. シナリオ中の時間管理
本シナリオは3日という明確な時間制限があり、また、各イベントについても発生時間が明確に定められているものもある。そのくせし
て、移動にかかる時間や各イベントの所要時間など、シナリオ中の時間管理についてはほとんど記載されていない。
これは主に難易度調整的な目的において敢えて厳格に定めていない。厳密にシナリオとして定めてしまうと、KPが考える卓ごとの最適難
易度に合わせづらくなるのではと危惧したためである。本シナリオはPLの行動に制限が少なく、各々が状況に対する解決策を考えていくよ
うな構造にしたつもりである。そのためイベント間の誘導があまり多くないので、初心者探索者にとっては何をして良いかわからず、難易
度が高いかも知れない。そういった卓の場合、探索時間をたっぷり用意してあげて欲しいのだ。
Tips. 橘田が裏切るタイミング
探索者の間に紛れて情報を盗み出し、狂信者にとって有利な状況を作り出すために行動している橘田が裏切ると想定されるタイミングは
いくつかある。以下にそれを記す。また、これらはあくまで一例であるため、KP各位で判断して裏切らせ、探索者を絶望させると良い。
①陰陽石を手に入れると、その場では行動を起こさないが夜間等にこっそり盗み出すだろう。
②探索者の影にえんふくさまが潜んでいる状態で陰陽石を浄化しようとした場合、松明などえんふくさまにとって驚異となるものを排除
しようとする。(夜間に限る)
③脱出に同行していた場合、狂信者とって有利となるような状況に誘導したり、自然光を発するものを排除するなどして妨害しようとす
る。
Tips. 橘田の正体に関する手がかり
・役場:イベントNo.101を参照されたし。
・記憶:ラブラドルの光やえんふくさまに関することを思い出した際に問い詰めてくる。
・RP :各KPが頑張ってくれるはず(丸投げである。本当に申し訳ない)
・犬 :これはイベント一覧に記載していない。給油所などにいる犬が探索者に吠えかかってくるが、橘田には尻尾を振るというもの。橘
田だけ懐かれている=橘田に慣れているということであり、黒ヶ峰町に長く住んでいる人物ということがわかる。というプチイベ
ントを考えていたのだが、ミステリー小説で使い古されたネタだったため没とした。探索者が全く気づいていない場合などにこれ
を採用するかはKP各位にお任せする。
Tips. えんふくさまの弱点に関する手がかり
・遭遇:金曜日、土曜日の夜間に発生する遭遇イベント → イベントNo.113など
・NPC:大村や黒羽から、前回の脱出時の様子を聞くことができるだろう。
・記憶:学校跡と図書館跡 → イベントNo.105.107
Tips. 車が手に入りそうな場所一覧
・役場 :主任のデスクに鍵、役場の裏手に軽トラックがある。
・工場 :黒田織物工場など。工場事務所に鍵、敷地内に軽トラック。おそらく一番盗みやすい。
・農園 :農園所有者宅に鍵、敷地内に軽トラック。ただし、農園は重要な施設であるため人の目が多く、盗み出すのは難しいだろう。
・給油所:軽トラックサイズの燃料輸送車。店主が鍵、店舗前に車。盗んだとしても2人乗りである。
・警察署:署内に鍵、敷地内に警察車両。台数はあるがここから盗み出すのは難しいかもしれない。
Tips. 集落の情報が手に入りそうな場所一覧
・役場 :詳細はイベントNo.101を参照されたし
・アパート :詳細はイベントNo.111を参照されたし
・黒田織物工業:詳細はイベントNo.112を参照されたし
・NPC(黒ヶ峰町の住人):黒ヶ峰町と周辺集落は交流が盛んであり、非常に仲が良いことを聞ける。黒ヶ峰町に裏の顔があると知れれば、
おのずと集落も怪しいと気がつくかもしれない。
Tips. 周辺の地図が手に入りそうな場所一覧
・役場 :詳細はイベントNo.101を参照されたし
・警察署 :詳細はイベントNo.103を参照されたし
・トラック:<幸運>などで物資輸送担当者が置き忘れていく。
・薬物原料保管庫:たぶんあると思う
Tips. 火種が手に入りそうな場所一覧
・薬物原料保管庫:詳細はイベントNo.102を参照されたし
・警察署:詳細はイベントNo.103を参照されたし
・警官 :煙草を吸うからにはマッチくらい持っているだろう
・レンズ:眼鏡などのレンズや水を入れた電球などで光を屈折させ、薄い紙など燃えやすいものに火をつける。なお、時間がかかる上に
日中にしかできない手法である。
・火打石:昔ながらの方法である。下記にまとめる。
Tips. 火打石を探す
えんふくさまに対抗するためには火などの自然光が必要である。しかしそれは狂信者も重々承知の上であり、火を起こせる道具は極力排
除している。なお、警官達は勝手にマッチを持ち込んでいるため、他の狂信者達とよく揉めている。
火起こしの方法であるが、狂信者が所持しているマッチやライターを盗むか、火打道具を用意するかである。火打道具には火打石と火打
金、火口(ほくち)がある。<博物学>または<知識(-20%~-30%の補正あり)>に成功すればこれらを用いた火起こしの方法を知ってお
り、<DEX×5>に成功することで実際に火を起こすことができる。以下に各道具の入手法を記す。
・火打金:金鋸の刃などの薄い鋼鉄を10cmほどに折り、それを同じ長さの木板で挟むと使い勝手の良いものができる。なお、鋼鉄片のみ
でも使えないことはない。
・火打石:上記の<博物学>または<知識(-20%~-30%の補正あり)>に加え、<地質学>でも火打石には石英が適しているとわかる。清
流沿いへ行けば見つかるだろう。また、多少時間はかかるだろうが、片っ端から火打金で打って試すという方法もある。
・火口 :火山の"かこう"ではなく"ほくち"。乾燥した木片や麻・木綿、それらの消し炭など、小さな火花でも点火し、火種を作るための
もの。この火種を他の木材などに燃え移らせ、大きくすることでえんふくさまに通用するような炎となる。
Tips. なし崩し的に脱出!
正体がバレそうになって住人や狂信者を傷つけるなどした場合、狂信者は今まで泳がせていた探索者を拘束するしかなくなるだろう。そ
の場合、なし崩し的に脱出イベントに以降する可能性が十二分にある。そういった場合、脱出パートでは何に気をつければ良いのか?
脱出パートの目的は『これまでの探索を通じてえんふくさまへの対抗策を準備しているか』ひいては『きちんと探索できているか』を判
断することである。えんふくさまへの対抗策を準備する、周辺集落の情報を入手する、橘田が狂信者側の人間と看破して同行を防ぐ、近隣
周辺市町村までの地図を入手する、の4つを満たしていれば、探索者達は十分に探索できていると判断しても良いと考える。
脱出イベントは上記4つを確認するために進行させると良い。えんふくさまに襲わせて対策の有無を確認する、周辺集落に立ち寄ることが
ないかを確認するといった具合だ。
最悪なのは、何が何だかよくわからないうちに狂信者に喧嘩を売ってしまい、何が何だかよくわからないうちに黒ヶ峰町を追われ、何が
何だかよくわからないうちに脱出できてしまうことである。これでは、バイオハザード4で主人公がヒロインを救出せずに直帰してしまうよ
うなものである。これが面白いと言えるのか、甚だ疑問である。
Tips.「シナリオ中で散々車が必要って言ってたのに脱出で車いらんやん!」
シナリオ中で車が必要と言っていたのは主に黒羽と大村の主観によるものである。すなわち、彼らが車が必要と思い込んでいただけであ
る。苦情に関しては筆者ただ口笛を吹くばかり( ・3・)~♪~~♪
ぶっちゃけ話をするならば、当初は車での脱出を想定していた。しかし狂信者が無能に成り下がらないために彼らの行動を練っていった
結果、車での脱出が却って危険となり、没になったのである。そしてシナリオ中で車が必要と言っていたのを修正するのが面倒だったた
め 黒羽や大村が車が必要と勝手に推測していただけということにした。正直申し訳ない。
Tips.脱出時に遭難したらどーすんの?
『09.脱出』に記載してある通り街道へ戻すか、それ以外にもいくつかの展開が考えられる。KPから提案するならば、
①川(または沢)の痕跡を探し、下山に役立てる
②山登りした人の痕跡を探し、下山に役立てる
③1d100で何を発見するかを決める
①川(または沢)の痕跡を探す、であるが、山中からの水の流れはいずれ山を下り、近隣市町村へと流れ着くだろう。そのため、今現在
も流れている川か、昔流れていた川の痕跡を発見して辿ることで下山することができるだろう。まず現在も流れている川であるが、もっと
もシンプルな方法を用いるならば<目星>または<聞き耳>だろう。しかし探索者3種の神器以外を用いるならば、<追跡>や<博物学
(-20~30%)>で動物の痕跡を発見して生活圏を割り出し、そこから水(川)を探すのだ。
昔流れていた川の痕跡を探すならば、<地質学>や<博物学(-20~30%)>で発見することができるだろう。川の流れで研磨された丸い
石や、生息していた貝の痕跡などを発見し、そこから水が流れていた痕跡を割り出すのだ。
②山登りをした人の痕跡であるが、これも下山に役立つだろう。この場合、山登りというか山菜採りなどの目的の方がふさわしいと考え
る。そういった人物が山へ入るにあたっては、鉈や鎌などで草を刈り、獣道のようなものを作っているかもしれない。こういったものは<
追跡>に加えて<幸運>による判定の比重が大きいだろう。ただし、山菜採りのような人物が片道数時間もかかるような山奥まで入るとは
考えづらい。そのため、こういった痕跡を発見できるのはかなり街に近づいてからだろう。
③1d100で何を発見するかを決めるならば、内容は各KPに決めていただきたい。と言うのはあまりにも人任せが過ぎるため、作成者とし
て一例を示す。これはあくまでも筆者から提案する一例であるため、各KPが好きなようにしていただきたい。
1~5 : 帰り道がわかる。
6~20 : 川を発見できる。
21~40 : 高台を発見し、<ナビゲート>に+20%の補正。
41~60 : 洞穴・廃屋などを発見。または街道へたどり着く。
61~80 : <幸運>失敗で追っ手に見つかる。または街道へたどり着く。
81~95 : 追っ手と遭遇する。
96~100: 黒ヶ峰町へたどり着く。
Tips. 『薬物原料の輸送履歴』のファイル名、"P6-U"ってなんぞ?
"パワポケ6 - 裏サクセス"である。もしも詳細を知りたければ実際にプレイするか、Wikiを覗いてみると良い。参考までに、筆者及びテス
トプレイヤーは薬物原料を"しあわせ草"と呼称しているという至極どうでも良い情報も付帯しておく。
Tips. しあわせ茸
黒ヶ峰町 黒ヶ峰アパート内 大村純一宅 タンス内に自生しているとされているしあわせになれそうな菌類。幻覚、幻聴、譫妄、酩酊、多幸
感など様々な作用をもたらすとされており、使用者曰く「パルプンテめいている」とのことある。しかし、自生地が限られている上に存在
も定かではないため真相は不明である。なお、一部では実際に自生していたという証言もある。
「大村の部屋のタンスってなんか汚そう。絶対きのこ生えてる」との一言から生まれてしまった名状しがたき菌類のようなもの。しあわ
せ草と同様にネタとして扱っていたが、とあるKPがシナリオに登場させ、しあわせ茸を狂信者の口に突っ込んでノックアウトするという事
態が発生した。これは筆者にも読めなかった展開である。各KPは<幸運>でしあわせ茸が自生したことにしても良いだろう。
完全に茶番が元で申し訳ないのだが、戦闘技能に劣る探索者が狂信者を倒せる方法の1つであり、割と有効な気がしたため記載するに至っ
た。あとなぜか好評だった。なお、卓の雰囲気としてはギャグ寄りになるため、しあわせ茸の用法用量を守って正しくお使いください。
Tips.狂信者ガバガバすぎぃ!
本シナリオは狂信者が作り上げた麻薬村から脱出することが目的となるが、そのために彼らの管理の穴を突いて生存への道筋をこじ開け
ることとなる。"管理の穴"であるが、これは主に狂信者側の人手不足とそれに伴う士気低下、疲労蓄積、ヒューマンエラーに起因するもの
である。
この黒ヶ峰町は狂信者の人手が足りず、作業員として一般人を拉致している村であり、現在も人員確保のために一般人を攫い続けてい
る。つまりこれは現在も人手不足は解消されていないということを示しており、そのしわ寄せが狂信者(主に主任や警官)のブラック的な
勤務時間に来ているのである。彼らは来る日も来る日も続く職務に疲弊しており、何らかのミスを侵す可能性がある。そこにつけ込んで脱
出の糸口を見つけ出すいくのだ。
輸送用トラックに地図を置き忘れるといった致命的なヒューマンエラーも、このような"人手不足による過労"や、"数年間も同じ業務を繰
り返しているために注意深さが無くなっている"というバックグラウンドありきのものである。無能には無能なりの理由があるのだ。